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丸山友加 芸能系
丸山 友加(2013年度・健康スポーツ学専攻卒)
芸能事務所所属

 丸山さんは、お笑い芸人になるために体育大学に入りました。大学時代は部活動に没頭し、卒業してお笑い芸人の夢をかなえるために、芸能事務所に所属して頑張っています。

<2015.03収録>

———どうしてお笑いの道に?

 ずっとお笑い芸人になりたかったんです。小さい時に、バラエティー番組で森三中さんとかが身体を張って人を笑わせるのを見て「カッコイイ。」と思って。
 ニチジョに入ったのも「体育大学に入ればリアクションのキレが良くなるかな。」みたいな理由で(笑)。ネタとしても、普通の大学より「体育大」の方が、インパクトがあるじゃないですか。ソフトボールをやっていて運動も好きだったんですけどね。

———お笑い芸人になるために体育大学って斬新ですね(笑)。

 でも入学してライフセービング部に入ったら、ハマってしまって、お笑いのことも忘れてひたすら練習に励んでいました。私、けっこうひとつのことに夢中になるたちなんです。
 1年生の時、ボードレースのリレーで台風が来る中、1位で帰ってきた先輩を見て「超カッコイイ!先輩みたいになりたい。」と思いました。そして1時間でも多く海に入るために、1限の授業がない時は始発電車で江ノ島に行って、ボードで江ノ島を一周していました。身体がムキムキになって、高校時代の友達にビックリされました。
 海から帰って潮をちょっと洗い流して、そのまま授業を受けるんですけど寝ちゃうんです(笑)。夜は吉祥寺の居酒屋でアルバイトしていて、終電で家に帰るのが面倒くさくなると友達の家に泊まったり、「どうせ明日も海だし。」とひどい時は5日も風呂にも入らなかったり、そんな大学生活でした。
 3年生でそろそろ就活となった時、「あっそうだ。私、お笑いやろうとしてたんだ!」って思い出して、電車のつり革広告で見かけたコメディアン養成所に電話してみたら、「あさってオーディションがあるから来てください。」と言われて、養成所の土曜日だけのコースに通い始めました。

———どんなことするの?

 午前中はネタ見せをして講師の先生に「ダメ出し」をもらい、午後からは演技、あと滑舌とかダンスの練習もしました。何か、お笑いはリズム感が大事らしいんですよ。月1でライブがあって、そこでネタを発表していました。
 最初は高校生とコンビを組んで、でもその子声が小さくて、ダメ出しの時いつも「声が小さい。」から始まっちゃうんです。「こりゃダメだ。」と思って、河川敷に連れていって声出しさせたら、ちょっと体育大出しすぎちゃったのか「ついていけません。」と逃げられてしまって(笑)。
 それからはずっとピンでやっていました。養成所に1年間通いました。卒業テストで最終審査に通れば事務所に所属できるんです。1次審査は、ライブでネタとかお客さんの反応を見られて、それは通りました。

———お笑いへの道、まっしぐらですね?

 でも、実はその頃、ほんとにお笑いをやるか迷っていて、家が貧乏というのもあって「やっぱ就職しないとマズイんじゃないか?」と思ったりもしていました。
 震災があったじゃないですか。私はライフセーバーなのに、あの時何も出来なかった…。消防士が出動したという話を聞いて、「消防士もいいな。」と思っていました。ライフセーバーから消防士になる人は多いんですよ。それで公務員試験の勉強もやっていて、公務員試験と養成所の最終審査の日が重なってしまったんです。
 それでギリギリまで悩んでいて、母に「どうしよう。」って泣きながら相談したら、「家のことは気にしなくていいから自分の好きなことをやりなさい。」って言われました。そこで吹っ切れたというか、「ここでお笑いやらなかったら自分は一生後悔する!」と思いました。他は全部投げ捨てて最終審査を受けたら、落ちました(笑)。
 「なんかイメージがイモトと被ってるんだよね。イモトはもういらないから。」みたいな…。要はどんだけ事務所に取って必要かなんです。何も決まってないまま大学を卒業してしまい…。ちょうどその頃、養成所の違うコンビで審査に落ちた人と出会って、同い年で話もあったので、「じゃあダメだった同士組んでみる?」と、コンビになることになりました。

———新しい相方はどんな人?

 彼は理系の大学を卒業していて、お父さんは大学教授、お母さんは薬剤師という、潔癖性でマイペースのボンボンです。私んちはマジで貧乏で、私の性格は大雑把でせっかちですから、育ちも性格も真逆でしたが、テレビに出たいという目標だけは一緒でした。
 養成所にいた先輩がサンミュージックという事務所に入って、ライブを観に行ってみました。サンミュージックは人数も少なくて、上の人ともけっこう話せたりするので、「いいなぁ。」と思いました。それでサンミュージックの外部オーディションに通っていました。
 秋まで通って、なんとか最終オーディションで社長にネタ見せするところまでいきました。それから1カ月くらい連絡がなくて、「もうダメかな。」と思っていたら電話がかかってきて、やっと事務所に所属できることになりました。

———事務所ってどんな感じ?

 えっと四谷3丁目の大通りの1本入ったところのビルで、たまにちらほら芸人が、ダイアモンド☆ユカイさんとかがいます。

———事務所に所属するとどうなるの?

 事務所を通して、ライブとか番組のオーディション、チョイ役を振ってもらえます。フリーだとそういうのもないので、賞レースで勝ち抜かないとテレビにも出られないんです。
 前の事務所と同じように月1回ネタ見せがあって、それに通ると事務所主催のライブに出られます。私たちは4回挑戦してライブに出られるようになりました。エルシャラカーニさんとか三拍子さんも出るライブで、外からお客さんも来てくれます。

———ギャラはもらえるの?

 ギャラはあったりなかったりです。ほぼないことが多いかな(笑)。先輩のライブのお手伝いで荷物を運んでお小遣いをいただいたりすることもあります。あと、ライブにお客さんを呼んだらバックでいくらかもらったり。今日もこれからライブに出るんですけど、それは自分たちで見つけて来た、逆にエントリー費を払うやつです。

———それじゃ生活は厳しいね。

 お笑い芸人には、住む家がなくてキャリーバックひとつで泊まり歩いている人もいます。私は生活費を稼ぐために、朝6時から昼の2時まで駅の立ち食い蕎麦屋でバイトしています。相方も同じ蕎麦屋でバイトしています。でも彼は未だにお母さんに携帯料金を払ってもらい、おばあさんからお小遣いをもらっています。
 毎朝4時起きですが、その後ライブとかにも行けるし、三拍子さんもいまだに蕎麦屋でバイトしてるって言っていました。ライブの後に先輩から飲みに誘われたら、おごってくれるし色んなお話も聞けるので、次の日4時起きでも死ぬ気で行きます。
 この間かもめんたるさんのライブのお手伝いをして、その後の飲み会で「絵とか描いて毎日更新すれば見えてくるから、そういうのをやってみ。」って言われて、それにインスパイアされて今YouTubeにマンガを描いて載せています。今はYouTubeがけっこう大事らしくて、「YouTubeにいっぱい色んなもの乗っけとけば、もしどっかでハネた時に検索してもらえるから。」って。

———先の見通しは?

 いやー、どうなんですかね。うちは1発屋芸人が多いので、1回ボーンってなっちゃえば、色々営業してくれて仕事をたくさん振ってくれるんですけど…。
 テレビで司会をやっている芸人がいれば番組に呼んでもらえたりすることもあるらしいですが、うちは1番上が髭男爵さんとか、スギちゃんさんとか、小島よしおさんとか、鳥居みゆきさんなんで、番組のバーターでは呼んでもらえないんです。やっぱ自分たちでネタをヒットさせないと。

———オーディションも受けている?

 はい。だいたいのテレビ局には行きましたよ。私、「TRICK」が大好きで、テレ朝に行った時は興奮しました。あと日テレかな?フジテレビかな?どっちかの通路が、オーディション会場と芸能人が楽屋入りするところが同じで、間近にSMAPとか見て、そういう時は「ヤバイ!」「シー!」って普通に素人になっちゃいます。
 オーディションは月に2、3回かな。この前は、新番組の最終選考に残って惜しかったです。でも結局、名前の知れてるタレントを使うことになって…。この際何でもいいのでテレビに出て1発当てたいです。舞台でやっていきたい芸人もいるんですけど、相方と私は断然テレビ派でバラエティ番組とかに出たいんです。
 オーディションごとにテーマが決まっていて、それにガツンと合えばいいんですけどね。エンタの神様のオーディションとか、「ラッスンゴレライ」が売れたせいで最近は歌ネタのオーディションも多いです。でも全部の事務所から何百人も芸人が来るので、やっと自分たちの番になったと思ったら、審査員がすっごい疲れていたりして、そんな時は心が折れそうになります。

———ネタの練習はどこで?

 中野の明大でよく練習しています。ネタ合わせは2人で考えるんですけど、お互い頑固で譲らないんです。最初はネタとか考えないで、私が悩んでいることや「この前合コン行って。」みたいな普通の会話の中から、「これフリになりそうだね」「じゃあここから作ってみようか。」とかそんな感じで作っていきます。だいたい月に2本ぐらい作って、毎月のライブのオーディションに合わせて1本完成させます。

———ピンと2人とでは違いますか?

 2人のほうがやっぱ心強いですね。私はツッコミなんですけど、相方がボケたらツッコめば、お客さんは何かしらの反応はあるので。ピンだと自分でボケてツッコまないといけないので、スベったらリカバーが大変なんです。
 相方とはネタ合わせの時は喧嘩しますが、それ以外は不思議と仲いいんです。ライブがあると朝6時のバイトから飲みの終電まで、20何時間一緒にいる時もあります。
 根性は私の方がありますね。オーディションに遅刻しそうになった時、歩くと30分かかるところを走れば15分、いや10分で行けるので「走ろう」って言うと、相方は「連絡したからいいよー。荷物多いし。」とか言ってるのを、「じゃあそれ私が持つから走るよ!」って走り出すと、しぶしぶついて来る感じです(笑)。
 そのかわり私はネタでスベると、1日ドーンって次の作戦が立てられないぐらい落ち込んじゃうんです。相方は能天気だから、「でもここはウケたし、ここは反応あったよ。」みたいなプラスに分析して、私を励ましてくれます。

———人を笑わせるコツって何ですか?

 意外に単純なフリの方がお客さんは笑ってくれて、フリをしっかり立てれば笑ってくれると、最近わかってきました。

———フリって?

 例えば、「家に花粉を入れたくないから服を払うんだよ。」って言ったら、相方は何か違うものを「犠牲を?」とか言って、「いや、違うよ!」って私が突っ込むとか…。

———笑うスイッチみたいのなのを仕掛ける?

 そうです。最初は喧嘩漫才と言うか対立型で、カレーに鶏を入れるか牛を入れるかで争ったりしていました。でもそれだとボケツッコミがむずかしくて…。色々試してみて、やっぱボケに「違うよ!」とやったほうがお客さんの反応もいいんです。それで今は私がたくさん話して、相方がぼーっとして時々邪魔して、私がそれに怒るみたいな感じでやっています。
 ライブ会場はほとんどが笑いに来てる人ですが、中にはすごい顔をしてる人もいたり、2、3人しか客がいない時もあって、そんな時はもうキツイですよ。

———これからの目標は?

 私たち「ユメマナコ」って言うんですが、事務所にはフレッシュ枠ということで取ってもらいました。「ネタより雰囲気で取ったから、ネタを早くどうにかして。」と言われています。
 とりあえず25歳までを第一目標に、それまでにはちょっと売れたいですね。レギュラー番組を、1本、2本持てたら最高です。そこまでじゃなくても、テレビに何回も出て名前を覚えてもらえたらと思います。
 ぶっちゃけすぐにテレビに出られると思っていたんですけど、なかなかオーディションにも受かりません。ちょっと前まではお笑い番組がいっぱいあったけど、最近は全然ありません。その分こうすればいいんだってわかってきたり、ちょっとずつ発見や収穫はあるのでまだ伸び代はあると思います。

———芸能界、自分にとって住み心地は良いですか?

 取りあえず後悔はしてないです。やっぱり、ネタでウケて笑ってもらうのが一番気持ちいいですね。お客さんの笑いが長くて、次のネタに行けなくて笑い待ちしている時とかは、もう最高に気持ちいいです。この前も思わぬところでウケて、そこをすごいひっぱったら、時間が足りなくなって最後までできずに強制暗転させられちゃいました。

———お笑いは、仕事って思っていますか?

 いや全然、仕事じゃないですね。でも、妥協しようと思えばできちゃうんで、怖いっちゃ怖いです。休んでいても「これでいいのかな?」って、逆に不安になったりします。

———暇な時は何してるんですか?

 休みの日はずっとうちにこもって、歯も磨かないで着替えもしないで、テレビ見ています(笑)。お笑いも見るし、恋愛ドラマとか見ます。あとはYouTubeを見て、しゃべくり007とかくりぃむしちゅーさんの真逆なフリオチを書き出して研究したり。

———お笑い芸人には何が重要だと思いますか?

 表現力だったり、人生経験だったり、滑舌だったり…。足りないものがありすぎて。あとはやっぱり反応の素早さかな。今まで人のボケに乗っかるタイプだったんで、ツッコミってけっこう難しくて、集中していないとできないんです。ボケの言葉を繰り返してその間に続きを考えたり、リアクションでごまかしたり、どうにか食らいついています。
 でも最近、勘違いかもしれないですけど、面白いことを言うよりも、素の自分を見せた方が意外に笑ってくれるんですよ。上手いツッコミよりも、ツッコミが思い浮かばなくてテンパってる方が、たくさんの笑いが起きたりするんです。
 事務所は違いますけど、さまぁ〜ずのミムラさんみたいになれたらって思います。あの人はバラエティーもネタもドラマも素の感じじゃないですか。あれで認められたらいいなぁって思います。やっぱりずっと出続けてる人は、飽きられないために次から次へ色んなことやっているので、そこで満足しちゃったら終わりなんだなと思います。

———将来、不安はないですか?

 不安だらけです(笑)。スベる度に「このままやってっていいのかな?」「こうやって中途半端に人生終わってくのか?」とか色々考えちゃいます。でも相方が慰めてくれて立ち直ったり。立ち食い蕎麦屋で疲れ切ったサラリーマンに八つ当たりされると、「君たちは毎日が同じことの繰り返しなんだろ。私は自分で考えて生きてますから。」って勝手に自己暗示をかけています。
 この前、上野の広小路亭っていう寄席に出させてもらって、この道50年になると言うおじいさんに会いました。ずっと舞台でやってきた人で、お話をたくさん聞かせていただきました。「ワンステージ500円のギャラをもらって帰る。」って言っていました。
 一度きりの人生、最悪このまま終わっても「これが自分の人生。」って開き直っています。

———今年の健美祭、呼んでもらえば?

 行きたいですね!MC気取って、マイクぐるぐる回したいです!